我が家の守り神が逝った

2023年2月17日

 愛犬ポコちゃん。雨の日も風の日も16年もの間、我が家のみならず近隣数軒の番犬を全うした。
 おかげで運送屋さんには恐れられていました。
 でも根は優しい温厚な犬。私と一緒に神社や公園に行く週末の散歩が何より楽しみだった。
 日曜日の23時ごろ異常な吠え方をするので見てみるとお腹がパンパンに膨れている。エサ箱がひっくり返される。普通なら叱っているところだがそんな我儘今までしたことがなかった。
 そうだ今朝は散歩をサボってしまっていた…。
 まさかとは思ったが散歩のリードを出してみた。すると尻尾を振り出した。「お前そんなに苦しそうなのに散歩したいのか?」。「そんな状態で歩けるのか?」そう問いかけながら深夜の散歩に出かけた。腹からチャプチャプ音が聞こえる。「もう歩くな。帰るぞ!」リードを引いても振り返らない。もうポコの気がむくままに行こうと、いつもの散歩コースを歩いた。「今日は朝行けなくてごめんな。」そう言いながらいつものコースを回って何とか戻ってきた。人間なら救急車に乗っているんだろうが、深夜に何もしてやれない。「明日は病院に連れて行くからな。」そう言って小屋に入れた。
 月曜日の朝、小屋の前にポコは横たわっていた。
 まだ少し暖かい。涙が込み上げてくる。
 昨日の深夜の散歩が最後の散歩になった。
 「最後に散歩に行けてよかったね」と妻が言う。
 まさかすぐに死んじゃうなんて思いもしなかった。
 最後まで面倒をかけないつもりだったのか?。
 この環境、この飼い主にも愛想が尽きたのかな。

 神様が見かねて天国から迎えに来たんだと思う。

 きっと愛犬家なら昨日のうちに都会の救急獣医にかかれと言うだろう。でもポコはそれを望んでいたのだろうか?。もう鎖に繋がれた番犬を引退したかったんじゃないかな。
 心の中で「病院はめんどくさいなっ」て思っていた自分が情けなくて嫌になる。

 ほんとに長い間守ってくれてありがとう。
 そして「ごめんよ」。
 もっと遊んであげればよかったね。
 もっと一緒にいてあげればよかったね。

 天国で、たくさん遊んで、お腹いっぱい美味しいもの食べて、仲間と会って、お母さんになって、子供も産んで、楽しく暮らしてね。

 ほんとに16年間ありがとう。お疲れ様でした。

ほとんど見えない目で、天国が見えているのかな
(亡くなる数時間前 最後の写真)

 最後にこの記事を書くにあたっては、ジャンカメの動画中にはポコちゃんの鳴き声や写真なども入っています。番犬として吠えた声も、私たち家族を呼ぶ声も入っています。動画制作で相手してあげられないこともしばしば、自分の道楽でポコと触れ合う時間を無くしてしまっていたと思う。
 ただ罪滅ぼしのためにこの記事を書いています。

 本来撮る予定のなかった最後に撮った写真が、全てを物語っています。奇しくも16年間の中で最高のショットになった。本来はこの写真を撮っているときにも散歩に行けただろうし遊んであげられたはず、道楽の犠牲になっているのは言うまでもありません。自分への戒めのためにもこの記事を公表したいと思いました。

 私に足りないもの、それは「スロー」。傾倒する情熱を突き進むと周りは見えなくなる。家族もペットも犠牲になっていく。
 目指すべき生活は「スローライフ」。趣味や道楽に没頭せず全てが見通せるゆっくりとした生活をしていくことが大切だと強く感じています。

トーク

Posted by kutty